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長年の懸案に挑む。 -2-

最近、私はドレスシャツのことをYシャツと呼びます。
ホワイトシャツが訛った、昔風のワイシャツという呼称ではなく、ドレスシャツの仕立て屋さんである、Y氏の頭文字からとったYシャツです(笑)。
ちなみに、このシャツですが、「私のハリスツイード -4- 」と同じく記事の更新が滞りましたが、既に10月の初旬に納品されております。

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9月3日に行われた、中縫いの写真です。前回とは変わって、本番の生地でのトライング・オンとなります。
着用して背中からの写真、ほぼ綺麗に背中に合っていますが、赤い矢印の部分の皺が気になりますので、修正します。
背中のプリーツは、タックでなくY氏の得意技である(笑)、ギャザーにしました。

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前からの写真、左身頃側です。赤い矢印部分の皺が、要修正ですね。
前身頃が脇に入る部分をご覧頂きたいと思います。身体に沿って入り込んでいる、かなり絞ったアームホールですが、私の身体に合わせて構築されているので、着心地はアームホールの大きな一般の仕立てシャツよりも数段楽です。と、言うよりも、比較できないレベルです(笑)。
加えて、腕の運動量を考慮して、脇に「キセ」の仕立てが用いられていますので、腕を上げたり反らせたりしても、引っ張られたり突っ張ったりすることがありません。

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前からの写真、右身頃側です。やはり、赤い矢印の部分の皺を修正します。左身頃に比べると、皺の出方は緩やかですが。
肩ヨークの乗り方の自然さと、身頃の生地がまっすぐ自然に下に落ちているのをご覧頂きたいです。そのため、襟とネクタイの座りもとても自然なのがお判り頂けるでしょう。ヨークと身頃の境い目の部分にも「キセ」の仕立てが用いられています。

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上着を着用したところです。とてもよく上着に馴染んでいるのがご覧になれると思います。
驚嘆するのは、その着心地です。上着の着心地が、2割はアップしていると実感できます。このシャツは、下に私の身体、上にこのN氏の上着を着ることを前提に、採寸・裁断・構築されているのですが、それにしても、これ程とは・・・、正確にお伝えしたくても、その文章力を持っておりませんし(汗)、写真でお伝えできるものでもありませんので、なんとも歯痒いですが、スーツの下に着用するシャツというものが、世間一般に、まだまだ技術的な可能性を残したままで完成したとされている、或いは、放置されているということを強く感じています。
是非ともY氏には、その可能性の追求に邁進して頂きたいと願っています。そして・・・、そして、私のシャツの追加も・・・(笑)。1着では、どうにもやり繰りができませんので・・・、よろしくお願いします(笑)。

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長年の懸案に挑む。 -1-

私にとって、装いの上で長年の懸案と言えば、それはドレス・シャツでした。
世界中どこに行っても、また、どんな専門の老舗で誂えても、シャツはスーツやジャケットを着用する上での「添え物」的な位置を脱しませんでした。そして、それはイメージだけでなく、上着の出来がどんなに素晴らしくとも、シャツが着感に制限を与えているように思えて仕方がありませんでした。
それらの理由を模索した中の幾つかを書かせて頂けば、まず欧州のシャツ屋さんは、伝統的なノウハウとレベルの高い顧客を持っていますが、既にその黄金時代を過ぎており、ノウハウや技術を持っていても、「なぜ、そうするのか?」という理由が忘れ去られてしまっています。問えば一番よく聞かされるセリフが、「うちは昔からそうだから」です(笑)。また、日本のシャツ屋さんは、細かい仕事は丁寧であっても、顧客の身体に合わせるという点では、所謂スーツの仕立てでいうところの、パターン・オーダーやイージー・オーダーの域を出ていません。
結局、ドレス・シャツの誂えというものは、最大公約数的に割り切るしかないのではないか? 昨今、私はそう思い始めていました。
そんな折に、独自の理論でシャツを誂えるY氏との出会いがあったのです。
Y氏は、顧客の身体と上着に、完璧にカスタマイズされたシャツを誂えることを目指し、そのために人体工学を学び、スーツの仕立て屋さんに弟子入りまでし、また、スーツに比べてアイロンでのくせ取りに限界があるシャツは、むしろ和服の仕立て技術の応用が有効と思い立たれて、その吸収にも余念がありません。
そんなY氏に、私のこれまでのドレス・シャツ感をお話しすると、全く同感とのご意見を頂いて、いつの間にか、二人でその意識を打ち破るシャツを造りあげましょう、というお話になったのでした。

Y氏より、最初の仮縫いの準備が整ったとのお知らせを頂き、アトリエへお邪魔しました。最初の仮縫いは、シーチングによって行います。シーチングとは、生成り木綿の薄手の生地で、本番用の生地をカットする前に型紙のチェックのために代用します。
Y氏は、顧客一人一人に、まるでスーツのそれのような独自の型紙をおこされます。そしてやはり(笑)、採寸から仕上げまでをすべて一人でこなされます。

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背中側の写真です。代用生地の仮縫いのため、本縫いされていないにも拘らず、おかしな着皺が全くと言ってよいほど無いのがお判りになると思います。左腕の肘の辺りがツレているのは、袖丈の長さを採るためにやっています。

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前側の写真です。やはり、不自然な着皺が無いことが判ります。私は、背中の肩甲骨付近の筋肉が厚く盛り上がっており、やや猫背気味で、胸囲と胴囲の落差が大きく、背中にしろ、前にしろ、こんな風に自然に生地が流れるのは、なかなか稀有なことなのです。

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トラウザースを穿き、タイを締めてみました。タイを締めたノットの付近にも、タイを挟んだ両前身頃にも、全くといってよいほど、ツレや皺が無いのがお判り頂けると思います。こうして他のアイテムを着用してみると、改めて実感するのは、シーチングの仮組みにも関わらず感じる、何とも言えない着心地の良さです。肩と首、そして腕に到る着感が、これまで私が着てきたシャツとは明らかに違います。良い悪いではなく、次元が違うので比較が出来ないというのが正直なところです。

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シャツ単体で着用している時よりも、トラウザースを穿き、ベストを着用し、上着を着こむと、より鮮烈にシャツとしてのモノの違いが判ります。スーツの着感が、これまではシャツによってかなりトーンダウンされていたことがハッキリと自覚できます。
スーツとドレスシャツの関係は、良質の靴とホーズの関係に似ているのではないでしょうか? どんなに素晴らしく誂えられた靴でも、きちんとフィットしたホーズを履かなければ、その靴本来の着感は得られないでしょう。良い靴を大切に、上手に履く方は、必ず良質のホーズをたくさん持っていらっしゃるものです。
Y氏との出会いによって、そんなシャツを着ることが出来る幸運を、私はたった今、実感しております。
本番の生地を使った中縫いが、今から楽しみです。どんな生地かは、次回の折に・・・(笑)。

青と赤、オンとオフ。

私の場合、スーツを着用する際のシャツはブルー系が多いのです。濃紺系のスーツが多いということもありますが、個人的に淡いブルーでストライプ柄のファインポプリンが好きなのです。スーツの上着に袖を通す前にブルーのシャツを身に着けると、なんとなく清々しい、颯爽とした気持ちになるのです。ダークスーツに淡いブルーのシャツ、ジャカードのタイ、黒のオックスフォードシューズに中折れ帽子というのが、私が一番愛するスーツの装いです。

ネクタイを締めない時、つまりカジュアルの場合も、ポロシャツやTシャツよりも所謂ドレスシャツとかYシャツとよばれる形のシャツを着るのが好きです。加えて言うなら、半袖よりも長袖の袖をまくる方が好きですね。袖を通した時のひんやりした感じ、着る時と脱ぐ時の身体への馴染みの違い、その日の行動や生活に合わせて馴染んでゆく感じが好きなのです。また、メンテナンスの過程で生地が段々と柔らかくなっていく感じもいいですね。人間と同じように、生まれて育って成熟して老いていくように思えるのです。

とは言え、タイを締める際とカジュアルの時では、着方も違いますしメンテナンスの頻度も違います。ジーンズにカフリンクスもないですから(笑)、当然シャツのディテールや生地の種類も違ってきます。私の場合、袖口はシングルカフの2ボタンバレル、襟はボタンダウンかスーツに合わせる襟よりもやや襟腰の低いイングリッシュスプレッドにしています。生地は、細糸織りでないごく普通のポプリンか、ノーマル或いはピンポイントのオックスフォードがメインで、たまに良い生地が見つかると麻なども仕立てます。

カラーは赤系ですが、ほんとの赤だと小説「坊ちゃん」の赤シャツになってしまいますので、淡いピンクが多いですね。特に淡いコーラルピンクが好きなので、無地や白地にチェック、ストライプのオックスフォードは殆どこの色です。白地にストライプやチェックのポプリンは、バーガンディやマルーンの臙脂系もよく着ています。

スーツ着用時のシャツが青系だから、カジュアルは対比させて赤系ということも無論ありますが、主たる理由はそうではなくて、お世話になっている生地屋さんにあります。本サイトのコンテンツでも述べましたが、私のシャツの生地は、英国のランカシャー州で三代続く老舗の生地屋さんから分けて頂いています。この生地屋さんのシャツ生地は、世界中の超長綿の産地から特に高品質なものを集め、細番手の糸も薬品で溶かすのではなく撚って作り、昔ながらの伝統的な方法で織られているのです。そのため、生地の打ち込みが非常に密で、ゆっくりとした素晴らしい経年変化をするのです。ランカシャーというのは現在は地域名ですが、ランカスター家の領土という意味もあり、ランカスター家とは無論薔薇戦争で著名な、あの赤薔薇のランカスター家です。

私は、この時代に古典的な製法を守り続け、素晴らしいシャツ生地を提供してくれる生地屋さんに敬意を表し、またその末永い存続を願って、カジュアルシャツの生地はランカシャー州とランカスター家の象徴である赤系にしているのです。
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