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男子の特権。

友人の買い物に付き合って、久々に紳士服飾のお店を何店か見て回りました。
その折りに、とても驚いたのは、お店の中にいる女性のお客さんの数です。特に、ネクタイの売り場には、婦人服売り場に来てしまったのかと思うくらいに、女性が溢れていました。
これは、日本独特の風潮なのでしょうか、それとも、アジアの特長と言えるのでしょうか? いずれにしろ、私には驚くべき光景でした。
欧州などでは、アングロサクソンにしろラテン系にしろ、もっとも女性客が少ないのが、ネクタイとドレスシャツのお店や売り場です。
中でも、ネクタイの選択は、「男子の特権」ともいえる部分で、これに口を挟む女性はまずおりません。下手に口を出すと、関係が決裂するほどの揉め事になってしまう場合も多々あるのです(笑)。冗談ではないのですよ。

そもそも、男性の装いというものは、それがネクタイを締めるものである場合は特にその要素が大きいのですが、生まれた環境や育ち方、現在までの人生経験における趣味嗜好、価値観などが凝縮された、まさに人生の縮図と言っても過言ではないものであり、或る意味でネクタイはその象徴的存在です。
勿論、それらを理解し、相手の男性が着用するスーツやシャツなどを知り尽くした上で、的確な選択をする女性も少数ではあるが存在はしますが、たいていは派手過ぎる、その女性ご本人がその色柄の服をお召しになれば素敵だが、という選択をするものです。そしてまた、女性に選んで貰った似あわないネクタイを、喜んで締めている男性のなんと多いことでしょうか。
そう言えば、クールビズとかいう、ノーネクタイのしまらない装いを提唱したのも、何やら出自の怪しい女性議員でしたね(笑)。かくの如く、一般に女性が男性のネクタイ周辺のことをとやかく干渉すると、ロクなことにならないのです。

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私自身の率直な意見を述べることをお許し頂ければ、そういった部分に軽々しく足を踏み入れる、また踏み入れさせる人間は、女性・男性を問わず、あまり好きではありません。
まぁ、欧州の男性は装いに関しては、自らのスタイルが確立している方が多く、逆に日本人は、これが最も弱い部分であるために、この違いは当然と言えば当然なのですが・・・。

アメリカに於いては、欧州と比べて、女性がパートナーのネクタイに干渉する事は多いようです。アメリカの世界的に著名な紳士服飾デザイナーにして評論家のアラン・フラッサーは、その著書「Clothes and The Man」の冒頭に、こう書いています。
「To women in my life; Marilise, Janet, Rita, Skye, and Piper, none of whom I'd send to buy me a tie. (吾が愛する女性達、マリリーズ、ジャネット、リタ、スカイ、パイパーへ、私は誰にもタイを貰いたくない。)」
とでも訳しましょうか。最後の部分は、「タイを貰いたくない」よりも、「自分のタイは自分で選ぶものだ」とした方が、より的確な日本語訳でしょうね。
紳士服の専門家として高名な彼でさえ、こう書かれるくらいですから、ネクタイへの女性の干渉率は、欧州に比してかなり高いと思われます。

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しかし、日本人のこの状況が問題なのは、「愛する女性達」からの贈りものですらなく、どうやら、水商売の女性からの営業とも言える季節のご挨拶や、手軽なアバンチュールの相手の感覚が基準となっているらしいところにあります。着用しているスーツやシャツからは考えられないケバケバしいタイが目に飛び込んできた場合は、たいていこのパターンか、その延長線上ですね(笑)。酒場の女性が営利目的でくれたものなどは、とこかにおっぽってしまって忘れているか、若い部下に「もし、よかったら使ってくれよ。」とあげてしまうくらいの気概を持ちたいものです。

人からどう見えようとも、貴方の装いは、貴方の価値観でまとめてこそ、貴方のスタイルたり得るのです。揺らがずブレずに進んで行って頂きたいと願います。その上で、愛すべきパートナーがドレスアップした時には、彼女がより素敵になるような装いを心がけたいものです。
そして、女性の方々には、もしも貴女が、愛すべきパートナーのタイを選ばざるを得なくなった折りには、貴女が華やかな装いをした時に、その貴女をより輝かせるナイトにふさわしいものを選ぶ心がけを持って頂くことを、切に願ってやみません。

え? 私自身ですか? 私は、女性からネクタイを頂いたことはあります。ただ、これまで一度も締めたことはありません。状況が許せば、キチンとお話をして受け取りませんが、角が立ちそうな(たいていはそうですね・笑)場合は、受け取るだけは受け取ります。
今のパートナーですか? 彼女は、一度も私にネクタイをくれようとしたことはありませんね。だから、私は彼女と一緒にいるのかもしれませんね(笑)。
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吾が愛すべき勾玉柄よ・・・。

私は、ネクタイの話があまり好きではありません。それは、ネクタイの話になると、どうしても色柄や、結び方など、コーディネイトに関する事柄が多くなるからです。コーディネイトは、各々の方達が、その感性と価値観に基づいて各自思い思いに工夫すればよいことであって、論じるべきことではないと思っています。また、私が締めるタイは、オーソドックスとかクラシックと言われる色柄のものが多く、自分以外の方達にとっては面白みが無いであろうということもあるのです。

唯、一つだけ、特に思い入れのあるネクタイの柄があります。ペイズリーというその柄は、元々はペルシアの織物の図柄であったといわれ、松かさ、菩提樹の葉、椰子の葉、などを図案化したものだということですが、植民地時代にインドから英国の兵によってイギリスにもたらされ、当時、織物産業の盛んだったスコットランドのペイズリー(paisley)で絹織物の図柄になったため、この名前で呼ばれています。

ペイズリー柄は、マックルズフィールドやクラブストライプに比べると、やや田舎っぽいというか、野暮ったさのある柄なのですが、日本では勾玉模様と呼ばれるように、オリエンタルな・・・というより日本的な雰囲気があり、和の織物の古典柄に通じる趣が感じられるのです。

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写真をご覧になられると、あぁ!あの柄か!!と思われる方も多いかと思います。日本のバブル期には、多くのデザイナーズブランドがこの図柄のプリントタイを販売していました。当時の、オーバーサイズでやや浅めの色合いの生地のデザイナーズスーツには、ペイズリー柄のプリントタイが良く合ったのでしょう。私は、あまりよい組み合わせとは思えませんが(笑)。

私の愛するペイズリー柄のタイは、プリントではなく写真のもののように、ジャカード織などの織物として図柄を表現した絹織物です。とはいうものの、この複雑な植物の模様を織り出すには、とても高度な技術が要求されるので、かつてのプリントタイのようによく見かけることもありませんし、織る技術が拙劣であったり、材料をケチったりして織ると、貧相極まりないものとなってしまいます。しかしながら、黒や濃紺、それらに類するダークトーンの色調で、丁寧に重厚に織られたペイズリーの絹織物は、ネクタイに仕立ててダークスーツの装いに用いると、日本人の黒くて強い頭髪ととてもよくバランスが取れると思えるのです。

私は冬場に、ミッドナイトブルーなどの濃紺やオックスフォードグレーといった濃いグレーで、フランネル等の重厚感のある生地のスーツに、シャツは薄いブルー地に襟とカフだけ白いカラー&カフディファレントや、そのストライプバージョンなどに、濃い目のシルバーグレーで織り上げた、このペイズリーのタイを締める装いを殊に愛しています。

さて、何故、このお話を書かせて頂いたか?

こう暑くなると、早く涼しくなってもらって秋冬物でも着たいものだと、避暑気分の逃避的精神の顕われでありました(汗)。

蝶ネクタイは結ぶもの。

日本で蝶ネクタイと呼ばれているものは、正式にはボウタイ(BowTie)という名称です。結び上がりが蝶の羽根の形に似ているフォーマル用のものには、バタフライ(蝶)のサブネームを持つ形がありますが、日本ではかつて、一般的に蝶ネクタイを締める場は、フォーマルシーンが殆どでしたから、ボウタイ=バタフライになってしまって、和訳して蝶ネクタイとか蝶タイと呼ばれるようになったのでしょう。

このボウタイ、蝶の形に出来上がっていて、ベルトを首に回して、蝶の形の結びの根本にホックで引っ掛けて装うもの(メイドアップタイとかメイドアップボウといいます)、と思っている方が多くいらっしゃるのにはショックでした。

ボウタイも結ぶものです。この、メイドアップタイを使う習慣は、もうやめて頂きたいものです。そのくらい、出来合いのボウタイは無様なものだと思います。日本の或る著名なテーラーさんは、男性のワードローブには、チョークストライプのフランネルのダークスーツとネイビーのブレザーは必ず無くてはならないと法律化して欲しい(笑)とおっしゃっています。私もこれには大賛成ですが、それ以上にボウタイを結べない人はボウタイをしてはいけない、またボウタイを必要とする服装をしてもいけない、という決まりこそ法律化して欲しいと強く強く思っております(笑)。

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考えてもご覧になってみて下さい。ホワイトタイやブラックタイの夜会服は、男性の装いの中でも最もドレッシーでエレガントなものです。その装いの要とも言える部分に、ホックで引っ掛ける形の悪いボウタイがあるなどとは、嘆かわしくて泣きたくなるというものではありませんか。

民間放送のと或る局で、指揮者を目指す男の子とピアニストを目指す女の子を主役に、彼らの青春を描いた人気ドラマがありました。ややもすると堅苦しくなるクラシック音楽の何曲かを親しみやすくしてくれて、回を追う毎に指揮姿がサマになってくる端整なマスクの俳優さんと天才的で変態(笑)なピアニストを演じる女優さんの演技を、私もとても楽しませてもらいました。

ただ一点!指揮姿のテールコートの襟元が!!!やはり、この無様な引っ掛けの出来合いボウタイでした。設定によると、由緒ある財閥直系の母と、国際的ピアニストの父の間に生まれ、少年時代を欧州で過ごしたという主人公が、ボウタイを結べないなんてちょっと考えられませんもの。おそらく、製作スタッフにフォーマルウェアに詳しい方がいらっしゃらなかったのでしょうが、折角のいい筋立ても、ヨーロッパのコンサートホールの重厚さも、指揮台に立つ指揮者の襟元が映ると興ざめしてしまいます。映画化が進んでいるというお話ですので、映画ではしっかりと「結ばれた」白いタイを見たいものです。演じる端整な俳優さんには、とてもお似合いになることでしょう。

フォーマルのイメージが強いボウタイですが、スーツやセパレーツに合わせる柄物もあり、結び下げのネクタイと同様に装っても構いません。アメリカン・キャンパススタイルや、ジーンズ+ジャケットの装いにも、カラフルなボウタイはよく合います。春たけなわを迎えるこれからのシーズンには、その若々しい感じがとてもいいと思います。また、欧州では、老齢の学者さんがツイードの服などに合わせたりしていますが、これも素敵ですね。威厳ある雰囲気が堅苦しくなり過ぎず、適度に優しく柔らかいイメージになります。

皆さんも、是非ボウタイの結び方を覚えられて、装いを楽しまれて頂きたいと心から思います。因みに、きちんと結ばれたボウタイは、外す所作もなかなか粋なものですよ。

ダブルノット。

ダブルノットというネクタイの結び方があります。フォーインハンド(プレーンノット)より一回多く巻くことから、こう呼ばれているようですが、私は知りませんでした。

どうも、90年代中盤に日本で興ったクラシコ・イタリアというイタリアの高級既製服のブームともに認知された名前のようですが、当初は聞いた事のない名前で、「どんな結び方なの?」と友人に尋ねてみたりしました。聞いてみてビックリ、「なんだ、プリンス・アルバート・ノットじゃないか!」と。別に、イタリア南部を出すまでもない、欧州ではごく普通に知られた結び方でした。正確な話ではありませんが、上記の服を扱うセレクトショップの方にこの結び方を教えて貰った雑誌社の編集さんか、ライターさんが付けられた名前だとか?

プリンス・アルバートとは、ビクトリア女王の夫君であったアルバート公のことで、息子のエドワード七世とは対照的に、当時は落ち着いた保守的な装いで知られていた方で、ジャケットのラペルやベストのボタンホールから垂らす銀の鎖が、その名を冠した「アルバート・チェーン」として有名です。プリンス・アルバート・ノットは、このアルバート公の考案と『いわれて』いるネクタイの結び方です。『いわれて』というのは、ウィンザー・ノットと同様にアルバート公が考案したという確たる証拠は無いのです。

伝統的な男性の装いには、その正統性を裏付ける歴史や物語が必ずあるものなのです。ですから、ダブルノットと呼ぶよりも、やはりプリンス・アルバート・ノットと呼びたいものですが、このプリンス・アルバートという呼び方には、最近別の下世話なものの呼び名にも使われています。「アルバートチェーン」から派生したと思われますが、男性のシンボルの先端に付けるピアスが、プリンス・アルバートと呼ばれているのです。ん~、なんか、やっぱりダブルノットでもいいかな?なんて思ってしまいませんか(笑)?

因みに、プリンス・アルバート・ノットとダブルノットにも細かな違いはあります。前者が、普通に結んで絞って形を整えるのに対して、後者は、あまり絞らずに結び目が四角になるように結んで、その結び目の上からクッとつぶします。亜流やアレンジがとても多いのも、このノットの特長なのですが、どのように締めるかは、お顔の形やスーツのスタイル、シャツの襟の形や大きさなどとよ~くご相談なさって下さい。
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