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カジュアルに使いこなす腕時計。

最後に腕時計をしたのはいつだったでしょうか?携帯電話がジャケットの胸を膨らませない厚さになってから、腕時計をした事は無いですね。

私は腕時計が好きではないのです。片手だけ錘をつけているようで身体のバランスが悪くなるし、シャツのカフを左だけ時計をはめたサイズにずらして仕立てなければならないからです。

ダークスーツに、もの凄くゴツいクロノグラフなどをしている装いを時おり見かけますが、あまりみっともいいものではありませんね。また、フォーマルで腕時計をするのは、厳密にはルール違反です。カフリンクスとバッティングして見栄えも悪く、フォーマルウェアのシンプルなエレガンスをぶち壊してしまいます。アクセサリーとして時計を持つならば、タキシードやテールコートのベストには、鎖のついたポケットウォッチがウェルドレスでしょう。

故ハーディ・エイミス氏が、「フォーマルパーティーでポケットウォッチを持っていない男が、それだけ見れば高価そうな腕時計を恥ずかしそうにベストのポケットに入れているのを見たことが何度かあるよ。」と、お話されるのを伺った事があります。著書にも、もう少し柔らかくお書きになっていますね。そもそも、華やかな席や女性の前、そして自分より身分が上の方の前で時刻を確認する行為はエチケット違反なのですから。

元々が、旅行やアウトドア、そして軍用として発達したアイテムですから、カジュアルに、ラフに使いこなして頂きたいものです。間違っても、ダークスーツのシャツのカフから腕時計が覗くチラリズムなど演出するNaffな仕草は御勘弁願いたいものです。チラリズムは、ジャケットから覗くカフリンクスだけで充分です。
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思いやりの装いとは・・・?

学生の頃、朝夕のラッシュタイムの通勤電車に乗るのは苦痛でした。その時間帯の電車は、整髪料が固まって大きなフケのようになった、もしくは本当にフケだらけの頭で、シャツには汚れの首輪がくっきりと浮かび、傍によるとなにやら臭い立つ男性が溢れていたのです。そんな頭の人が自分の前にいて、何かを見上げてフケ頭が顔面に迫ってくる恐怖(笑)?

昨今の通勤電車からは、恐怖の汚れ系男性は激減しました。若者もオトウサン達も、さっぱりとした洗い立てのシャツを着て、清潔な頭髪の人達が多いようです。

全体のレベルが一つ上がると、別のことが目につく様になるもので、私は若い男性達の極端なディテールの服装が気になっています。身体にとてもフィットしたスーツのトラウザースの裾を短く切り、ロングノーズの靴がこれ見よがしで、シャツの襟は鬼面人を驚かすように高く大きく、ボタンホールの色はカラフル。スーツ姿の若者の殆どが、程度の差はあれこれに近いディテールです。私は、これはちょっと濃過ぎる格好だと思うのですが、如何でしょう?

コテコテに凝った装いは、見識の無い人や或る種の女性達からは、お洒落と言われ評判がいいかもしれません。しかし、男の装いの本来あるべき姿というのは、己が着飾って見て貰いたいという自己満足ではなく、周囲に対する礼儀や思いやりに基づくものであるべきです。

装いを考える時は、紳士諸氏には皆さんの横にいらっしゃるパートナーの事を思い浮かべて欲しいと思います。自分の装いが、あなたの腕を取っているパートナーをより美しく映えさせるものであるかどうか?プラスとプラスでマイナス効果になってしまっていないか?想像してみて下さい。そうしたメンタルを持っていれば、仕事の時、会合の時、華やかな席の時、どんな装いをするべきか自然と理解できるようになると思います。

二十年近く前になりますが、と或るパーティーで英国のCさんという年配の伯爵とお話をした時に、彼が名刺入れの中に幾つかの安全ピンを持っていらっしゃるのを目に留めて、何の為か伺った事があります。C伯爵いわく、「私の妻をはじめ、華やかな女性達の装いにトラブルが起こった時に、人知れずそっとそれを助けるためですよ。」と。

どうです?とても素敵な、そして思いやりに溢れた備えではありませんか!?私はこの時から、男の装いの粋とは、つまりはこれに尽きると思っています。

靴磨き。

巷では、よく磨きこまれた靴や、高価な靴を履いている人をとてもよく見かけるようになりましたね。靴がきちんと磨かれていて、トラウザースの折り目がきちんとプレスされている凛とした服装を見るのはとても気持ちのいいものです。

でも、靴磨きの薀蓄なんて、食事やお酒を飲んだ時に話すのはやめましょうね、野暮ですから。自分で磨いているというのが他人にわかってしまうこと自体が、英国などではとても野暮なことですから。幾ら独自のノウハウがあっても、履いている靴の艶を褒められても、そこはグッと我慢して頂きたいものです。それから、靴ばっかりが目立つコーディネイトも。それが、男の粋というものではないでしょうか?

さて、野暮を承知で少しばかり書かせて頂きますと、雑誌なんぞでアパレル関係の方や、その方面の評論家の方々が、これ見よがしにご本人の靴磨きテクニックなぞ語られていたりしますが、そんなものを信用してはいけません。中には、ワックスやクリームの使い分け方までご丁寧且つ愚かにも、あぁこぅ書いていたりしますが、数百円で売っているコスト数十円で生産される有機溶剤の固まりなんぞに、ほんとに革にいいものなんて有り得ません。これだけ情報が手に入りやすい時代ですから、一度きちんと調べてご覧になられて、紳士諸氏にはご自分が大切になされている靴に相応しいワックスやクリームを与えてあげて頂きたいと願っています。

吾が愛しのフランネル。

猛暑の夏から、やっと涼しさが感じられる日が増えてきました。涼しさを感じられるようになると、冬服やその服地が恋しくなります。冬着で一番好きな服地は、フランネル。独特の毛羽立ちと柔らかな優しい質感でありながら、しっかりと打ち込まれて織られているので端正なスーツやジャケットに仕立て上がるこの紡毛生地を、本当に素晴らしいと思いますし、大好きです。ダークブルー地に淡い白捺染のチョークストライプのフランネルのスーツと、ネイビーブルーのジャケットにオフホワイトのフランネルのトラウザースという装いは、冬の装いで私が最も愛する服装です。

フランネルという言葉は、ウェールズ語で紡毛生地のことを指すグランネン(Gwlanen)を語源としています。とにかく軽い素材が好まれる昨今では、ウーステッドフランネルという梳毛生地でフランネルっぽく織った生地がフランネルとして出回っていますが、今まで本当のフランネルの風合いがある生地にはお目にかかったことがありません。やっぱり、フランネルはウールン(紡毛生地)でなくては、と思っています。

このフランネル、1920年代には盛夏用の服地であったというから驚きですね。それだけ地球が温暖化しているということでしょうか?

フランネルとは反対に、私が苦手な冬の装いはレザーウェアです。革のジャケットやトラウザースは、見た目のカッコ良さとは対照的に、その着心地ときたら泣きたくなるほど酷いものだと思うからです。個人的見解ですが、身体の動きを全くフォローしない革は、服地として使うこと自体が問題だと思わざるを得ません。私は、太ってもいませんし、股下もそこそこ長い方なので、革のトラウザースを穿く身体的条件はなんとかクリアしていると思うのですが、まぁ、申し訳ありませんが遠慮させて頂きたいです。やっぱり私はウール派で、革ものは靴と鞄だけで充分です。

藪蛇では有りますが、すらりとした長い脚の女性が、身体にフィットした革のトラウザースを穿いている姿を見るのは大好きです

帽子で夏は快適。

帽子を愛用しています。

特にスーツの時。冬はホンブルグハットかフェードラ、夏はパナマハット。ここ数年で特に気が付くことは、夏の帽子の快適さです。以前はさほど感じなかったのですが、数年前からの夏の猛暑は、軽くて直射日光を防いでくれるパナマのおかげでほんとうに快適です。子供の頃、麦藁帽子を被って虫取りに行ったことなど思い出します(笑)。帽子を被っていると、夏の風が何故か涼しく感じられたものです。

葦の繊維で編まれたパナマハットは、編み目がとても密ですが、暑さで頭が蒸れるということもなく、つばに沿って流れる風は耳から首筋を吹き抜けてくれます。また、なんと言っても軽量ですから、帽子と聞いて想像するストレスは皆無に近いですね。形も、つばの広さも、とてもいろいろなバリエーションがありますから、是非お試し頂きたいものです。

白く、いかにも軽そうな帽子は、一緒にいる人達にも涼しさをイメージさせる事でしょう。

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