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旧友のようなコートはいかが?

最近は、エアコンや車の普及のせいか、男性のオーバーコート姿を見なくなりましたね。スーツも厚手のフランネルをはじめとする紡毛素材は少なくなり、一昔前には3シーズンといわれたような、薄く軽い素材のものが主流になっています。

私が、ここでいうオーバーコートというのは、若いサラリーマンが通勤電車の中で着ている、トレンチコートの出来損ないのような、丈の短いレインコートではなく、カシミアやキャメルヘアなどの紡毛素材で仕立てられている、暖かくてしなやかな丈の長いコートのことです。

中でも、チェスターフィールド・コートと呼ばれるものが私は大好きで、二十代の頃から愛用してきました。フォーマルウェアの上にも着られる端整なシルエットは、十九世紀の英国貴族、チェスターフィールド六世伯爵の考案によるものと「言われる」ことから、この名称があります。祖父のチェスターフィールド四世伯爵は、上流貴族の処世術はこうあるべきであるという書簡を息子に送り、後にそれは書簡集となり、貴族達の教科書的な存在となって「チェスターフィールディズム」と呼ばれるようになりました。

セミ・チェスターといわれる亜種が多いのも、このコートの特長で、クラシックなディテールから幾つかを削った、やや砕けたものも多く着られています。念のために書いておきますが、私はディテールの正当性についてどうのこうの言おうとは思っておりません。畏まったものであれ、砕けたものであれ、その人の用途に合って、その人の好みに合い、その人が心地よく着こなせれば、それで良いと思います。

さて、その上で原点と言えるクラシックなディテールとはどのようなものかと言えば、基本的にはフロック・コートのそれに似ています。シングル・ブレステッドとダブル・ブレステッドがあり、共通点は上襟が黒のシルク・ベルベットで、袖はセットインスリーブ。ウエストを絞ったシルエットで、スーツと同じ胸のウェルトポケットと脇のフラップポケットがあり、脇のフラップポケットの上には、やはりスーツと同じように、ウエストの絞りを出すためのダーツの縫製線があります。丈は膝下と長く、そのシルエットの端整で優雅なことは、まさに男性のオーバーコートの王者といってもよいでしょう。シングルとダブルの相違点は、シングルには、ノッチドラペルとピークドラペルの襟型があり、前合わせのボタンは比翼仕立てになっていて見えません。ダブルの襟型はピークドラペルのみで、通常は六つボタン二つ掛けに仕立てられます。生地はカシミアやベロアなどの柔らかめのウール素材で、色は黒かミッドナイトブルー、時に濃い目のグレイやそのヘリンボーン柄、ネイビーブルーなどもあります。

私は、ダブルのチェスターフィールド・コートが大好きで、冬の梳毛ダークスーツには古典的なディテールのものを、フランネルのような紡毛素材の時には、胸のウェルトポケットと脇のダーツを略した、ややゆったりとしたセミ・チェスターを愛用しています。このセミ・チェスターは、キャメル・ヘアや茶色のカシミアで仕立てると、端整なポロ・コートのような感じになって、ブレザースタイルにもとてもよく合います。また、帽子との相性がいいのも、私がチェスターフィールド・コートを愛する大きな理由の一つですね。ホムブルグやフェドゥーラといった所謂ソフト帽との相性は抜群で、私はフェドゥーラ系の帽子はトレンチ・コートよりもチェスターフィールド・コートの方が合うと思っています。

ビクトル・ユーゴーが、「古い友人のように素晴らしいものである。」といったオーバーコートの裾を翻して、さぁ、あなたも寒風に負けずに街を闊歩しようではありませんか!

因みに、コートとは元来スーツの上着のようなジャケットのことを言います。その上に着られるのでオーバーコートと言われていたのが、分解されてしまって、オーバーとかコートとかと呼ばれるのですが、最近はあまりオーバーというのは聞かなくなりましたね(笑)。
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