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吾が愛すべき勾玉柄よ・・・。

私は、ネクタイの話があまり好きではありません。それは、ネクタイの話になると、どうしても色柄や、結び方など、コーディネイトに関する事柄が多くなるからです。コーディネイトは、各々の方達が、その感性と価値観に基づいて各自思い思いに工夫すればよいことであって、論じるべきことではないと思っています。また、私が締めるタイは、オーソドックスとかクラシックと言われる色柄のものが多く、自分以外の方達にとっては面白みが無いであろうということもあるのです。

唯、一つだけ、特に思い入れのあるネクタイの柄があります。ペイズリーというその柄は、元々はペルシアの織物の図柄であったといわれ、松かさ、菩提樹の葉、椰子の葉、などを図案化したものだということですが、植民地時代にインドから英国の兵によってイギリスにもたらされ、当時、織物産業の盛んだったスコットランドのペイズリー(paisley)で絹織物の図柄になったため、この名前で呼ばれています。

ペイズリー柄は、マックルズフィールドやクラブストライプに比べると、やや田舎っぽいというか、野暮ったさのある柄なのですが、日本では勾玉模様と呼ばれるように、オリエンタルな・・・というより日本的な雰囲気があり、和の織物の古典柄に通じる趣が感じられるのです。

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写真をご覧になられると、あぁ!あの柄か!!と思われる方も多いかと思います。日本のバブル期には、多くのデザイナーズブランドがこの図柄のプリントタイを販売していました。当時の、オーバーサイズでやや浅めの色合いの生地のデザイナーズスーツには、ペイズリー柄のプリントタイが良く合ったのでしょう。私は、あまりよい組み合わせとは思えませんが(笑)。

私の愛するペイズリー柄のタイは、プリントではなく写真のもののように、ジャカード織などの織物として図柄を表現した絹織物です。とはいうものの、この複雑な植物の模様を織り出すには、とても高度な技術が要求されるので、かつてのプリントタイのようによく見かけることもありませんし、織る技術が拙劣であったり、材料をケチったりして織ると、貧相極まりないものとなってしまいます。しかしながら、黒や濃紺、それらに類するダークトーンの色調で、丁寧に重厚に織られたペイズリーの絹織物は、ネクタイに仕立ててダークスーツの装いに用いると、日本人の黒くて強い頭髪ととてもよくバランスが取れると思えるのです。

私は冬場に、ミッドナイトブルーなどの濃紺やオックスフォードグレーといった濃いグレーで、フランネル等の重厚感のある生地のスーツに、シャツは薄いブルー地に襟とカフだけ白いカラー&カフディファレントや、そのストライプバージョンなどに、濃い目のシルバーグレーで織り上げた、このペイズリーのタイを締める装いを殊に愛しています。

さて、何故、このお話を書かせて頂いたか?

こう暑くなると、早く涼しくなってもらって秋冬物でも着たいものだと、避暑気分の逃避的精神の顕われでありました(汗)。
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