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脇ポケットのベロの出し入れ。

上着の脇ポケットのフラップは、本来は、室内ではポケットの中に入れておくものなのはご存知でしょうか?
それは、元々は雨よけのためのものだからなのです。上の写真のアステアは、帽子をかぶって屋外にいるので、脇ポケットのフラップは出ていますが、下の写真のクーパーは、室内で女性と話しているためにフラップはしまわれているのがお分かりになると思います。

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何故、このようなことを書き出しましたかと申しますと、仕事場で、私の横の若い衆が「I棒」という人気ドラマの録画を見ていた折に、その中で俳優のM谷さんがそう言ってるシーンがありまして、ホントかどうか聞かれたからなのです。
なんでも、再放送したものの録画だということですが、流石に数字が取れるドラマですね。M谷さんにそういう台詞を喋らせる辺りがイイです!

ちなみに、脇ポケットのフラップをしまうと、「玉淵」という状態になるのですが、この状態でフラップの無い仕様を、ジェティッド・ポケットと言います。タキシードなどの脇ポケットがそうした仕様になっていますね。タキシードなどの夜会服やフォーマルウェアは室内着ですからフラップは要らないのです。そして、このジェティッド・ポケットの見えない仕付け糸は取らないで着るのが正しい着方です。また、玉淵になっていなかったり、フラップがしまえなかったりする上着は、厳密に言えばアウトドア用ということになり、カジュアル・ウェアになります。従って、ダークスーツより上のプロトコルでは基本的には着られません。それから、斜めの脇ポケットも乗馬服の流れのデザインですから、ジェティッドやジェティッド・フラップよりはカジュアルということになります。
脇ポケットの上に小さなポケットがある仕様の上着もありますが、あの小さなポケットは、チェンジ・ポケットと言いまして、あれもまたカジュアルな仕様になります。

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ドレッシーという言葉は日本語にしますと、「フォーマル度が高い」という意味で、着る物も履く物もアクセサリーも全て、よりプレーンでよりモノトーンに近くなっていきます。「おっしゃれ~!」とか「珍しい~。」とか「凝ってる~!」という事ではないのです。ですから、ブランドショップなどの山出し店員さんの言うことなど鵜呑みにして、変に凝った仕様のダークスーツとかタキシードを買わされてはダメですよ、と、若い衆に一席ぶたせてもらいました(笑)。
誰も見ないかもしれませんが、屋外ではフラップを出し、室内ではしまう所作が自然に身に付くことの方が、よっぽど粋で洗練された身ごなしだと思います。ディテールに拘ることは洗練にあらず、です。
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