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好きな葡萄酒と服。

アマローネというイタリアはベネト州の葡萄酒が好きです。葡萄を一旦陰干しにしてから醸す、濃く薫り高い葡萄酒です。飲み始めてからかれこれもう二十年になりますが、ここ数年は、葡萄酒を嗜む折には、自宅でも外食でも、結果的に殆どアマローネを飲むようになってしまっています。別に、葡萄酒はアマローネしか飲まないと決めている訳ではなく、むしろ、色々な国の色々な葡萄酒を飲んでみたいと思っているのですが、献立を考えている時や、メニューを見ている時に、なぜか既に決まったものの如くアマローネを選んでしまっています。

だからなのでしょうか、アマローネという葡萄酒は、お気に入りの服のようだと近頃よく考えます。私にとってのお気に入りの服とは、お馴染みのテーラーN氏が仕立ててくれた、ダーク・スーツですね。
皆さんがお気に入りの服を着る時とは、どんな時なのでしょうか?連れ合いや恋人をエスコートする時、初めてデートをする異性と逢う時、仕事で特別な会議やイベントのある時、レセプションやパーティの招待を受けた時などでしょうか。
私にとっては、古い友人の祝い事や海外の親しい知人を迎える時です。
身体によく馴染んだスーツは、流行りもののように着た者に虚勢を張らせることも無く、リラックスした雰囲気の中にも程よい緊張感を与えてくれるもので、自分にとって大切な人間と会う時には申し分がありません。個人的に大切な行事には、なぜかその服を選ぶ、という様になってしまうものなのですね。

amarone

そもそも、よい服とはどんな服を云うのでしょううか?着心地を愛する者もいれば、見た目の美しさに命を賭ける者もいます。美味しい葡萄酒の定義と同じく、様々な好みの人間がいる以上永遠の命題のようですが、私自身は「着ている者」を素敵に見せる服だと思っています。着る者の身体に奉仕を求めるような服や、「何処そこの服だね」と言われるような服は、決して着る者を素敵に見せません。
仕立てる側の人間の言葉を借りれば、よい服とは「皮膚のような服」なのだそうです。そう、長年親しく付き合ってきたお気に入りの服は、確かに着心地よく私を包み込んで、着ていることを意識させないし、着込んでいけばいく程、えも云われぬ味わいを出してくれるものです。

お互いをよく知り尽くした古い友と食事をし、落ち着いた雰囲気のバーなどで、ゆったりと流れる時間を楽んだりする時には、まさに自分の身体を知り尽くしたテーラーが、自分のために一針一針心を込めて仕立ててくれた、そんな服が
相応しいとおもいます。そして、葡萄酒は年経たアマローネ。時の熟成を経た薫り高い味わいが、特別な時間を更に豊かなものにしてくれます。
しかも、Intense Garnet Redと表現される、オールド・アマローネの色は、ミッドナイト・ブルゥやオックスフォード・グレイなどのダーク・スーツにとてもよく似合うのです。アマローネのような色のネクタイを作ってくれるアパレル・メーカーがあれば、久しぶりに出来合いのネクタイも締めてみようという気になるかもしれませんね。どこか作って頂ける処はないだろうか?クラバッテ・アマローネ・クラシコ、名前も悪くないと思うのですが・・・・・。
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