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ダブルノット。

ダブルノットというネクタイの結び方があります。フォーインハンド(プレーンノット)より一回多く巻くことから、こう呼ばれているようですが、私は知りませんでした。

どうも、90年代中盤に日本で興ったクラシコ・イタリアというイタリアの高級既製服のブームともに認知された名前のようですが、当初は聞いた事のない名前で、「どんな結び方なの?」と友人に尋ねてみたりしました。聞いてみてビックリ、「なんだ、プリンス・アルバート・ノットじゃないか!」と。別に、イタリア南部を出すまでもない、欧州ではごく普通に知られた結び方でした。正確な話ではありませんが、上記の服を扱うセレクトショップの方にこの結び方を教えて貰った雑誌社の編集さんか、ライターさんが付けられた名前だとか?

プリンス・アルバートとは、ビクトリア女王の夫君であったアルバート公のことで、息子のエドワード七世とは対照的に、当時は落ち着いた保守的な装いで知られていた方で、ジャケットのラペルやベストのボタンホールから垂らす銀の鎖が、その名を冠した「アルバート・チェーン」として有名です。プリンス・アルバート・ノットは、このアルバート公の考案と『いわれて』いるネクタイの結び方です。『いわれて』というのは、ウィンザー・ノットと同様にアルバート公が考案したという確たる証拠は無いのです。

伝統的な男性の装いには、その正統性を裏付ける歴史や物語が必ずあるものなのです。ですから、ダブルノットと呼ぶよりも、やはりプリンス・アルバート・ノットと呼びたいものですが、このプリンス・アルバートという呼び方には、最近別の下世話なものの呼び名にも使われています。「アルバートチェーン」から派生したと思われますが、男性のシンボルの先端に付けるピアスが、プリンス・アルバートと呼ばれているのです。ん~、なんか、やっぱりダブルノットでもいいかな?なんて思ってしまいませんか(笑)?

因みに、プリンス・アルバート・ノットとダブルノットにも細かな違いはあります。前者が、普通に結んで絞って形を整えるのに対して、後者は、あまり絞らずに結び目が四角になるように結んで、その結び目の上からクッとつぶします。亜流やアレンジがとても多いのも、このノットの特長なのですが、どのように締めるかは、お顔の形やスーツのスタイル、シャツの襟の形や大きさなどとよ~くご相談なさって下さい。
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